優秀な研究者の特徴、才能、資質、能力:ノーベル賞受賞者の見解

野球選手を思い浮かべてみてください。

野球選手に必要な能力は何でしょうか? 

肩の強さ、走るスピード、打撃力などが求められますよね。

肩が弱い選手は、遠投や筋トレをして、肩の柔軟性を高めたり強化したりすることで、野球選手としてレベルアップを図ります。


研究者は自主トレが不可欠! 

では、研究者に必要な能力・才能・資質は何でしょうか? 

優秀な研究者はどのような特徴があるのでしょう。

即答できる方もいるかもしれませんが、研究者に求められる能力はあまり認知されていないように思います。

野球選手のように必要な能力が明確であれば、どのようなトレーニングが必要なのか理解し、実践することができます。






しかし研究者の場合は、必要な能力があまり認知されておらず、またそのトレーニング方法も確立されていない気がします。

大学院でも「どうすれば研究者として成長できるか」を教えたり考えたりする授業はありません。

結果、身近にいる研究室のボスや先輩を見ながら吸収するケースが多くなり、研究者としてレベルアップするには「自主トレが不可欠」というのが現状です。



まずは、研究者に必要な「8つの能力」を知ろう!

自主トレのためには、まず、どのような能力が研究者に求められているのかを知る必要があります。

ノーベル賞受賞者のウィリアム・ショックリー先生(Dr. William Shockley)は、生産性の高い研究者には次の「8つの能力」が必要だと提唱しています。



1.良い研究テーマ・クエスチョンを考える能力

2.実験をする能力

3.価値のある結果を見極める能力

4.実験に区切りをつけ、論文として書き上げるタイミングを決める能力

5.論文を書く能力

6.批判をポジティブに捉え、研究・論文を改善する能力
   
7.書き上げた論文をジャーナルにサブミットする意欲
   
8.論文の改善・改良を怠らない粘り強さ


英文はこちらです。(W. Shockley, “On the Statistics of Individual Variations of Productivity in Research Laboratories,” Proc. IRE, vol. 45, pp. 279-290; March, 1957.)


  1.     ability to think of a good problem
  2.     ability to work on it
  3.     ability to recognize a worthwhile result
  4.     ability to make a decision as to when to stop and write up the results
  5.     ability to write adequately
  6.     ability to profit constructively from criticism
  7.     determination to submit the paper to a journal
  8.     persistence in making changes (if necessary as a result of journal action)

https://dynamicecology.wordpress.com/2014/01/23/william-shockley-on-what-makes-a-person-write-a-lot-of-papers-and-the-superstar-researcher-system/

https://ieeexplore.ieee.org/document/4056505/?reload=true&tp=&arnumber=4056505&url=http:%2F%2Fieeexplore.ieee.org%2Fxpls%2Fabs_all.jsp%3Farnumber%3D4056505




「8つの能力」はバランスが重要!

上記のうち、1〜6は研究プロセスに関わる「基本的な能力」だと思います。

7と8はどちらかというと「研究者としての姿勢」に関することのようですね。



一研究者として自立するには「8つの能力」全てがバランス良く備わっていないといけません。

「実験をする能力」が高くても、「良い研究テーマ・クエスチョンを考える能力」が乏しいと、研究者としての自立は難しく、きっとどこかでつまずいてしまいます。



「8つの能力」を指針に、自主トレのヒントを得る

「8つの能力」は、それぞれ掘り下げることができます。

例えば、「実験をする能力」は「データを解析する能力」や「実験を計画する能力」などに細分化できますよね。

「8つの能力」を指針としながら、研究者に必要な能力を自分なりに探求してみるのもよいかもしれません。

そうすることで、どのような自主トレが必要なのか考えるヒントになるのではないでしょうか。



まとめ:研究者として成長するために、伸ばすべき能力を知ろう

ノーベル賞受賞者・ウィリアム・ショックリー先生が提唱する、研究者に必要な「8つの能力」をご覧になって、あなたはどう感じたでしょうか? 

僕自身は「実験に区切りをつけ、論文として書き上げるタイミングを決める能力」を伸ばさなければならない、と思いました。



研究者にとって自主トレが不可欠である以上、研究者に求められている能力を理解すること、そして何が自分に欠けているのかを認識することが第一歩のような気がします。

あなたも「8つの能力」のうち何か伸ばすべき能力があれば、これからの課題にしてみてはどうでしょう。



今後は 1〜6の能力、そして僕が挑戦している・してみた自主トレ法について書いていこうと思います。

(追伸:自主トレ法の記事を書きました~。-> 研究の進め方・論文の書き方を鍛える自主トレ法~博士課程中にやろう~



院生の英語学習、節約、息抜きに、コスパ最高のサービスに関するレビュー記事を書いていますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。







 



おまけ:Richard Hammingが「研究にどう取り組むべきか」について言及している動画がすごくおすすめです。優秀な研究者の特徴についても言及しています。

himazu archive 2.0というサイトで和訳が掲載されていますので、そちらも参考になると思います。








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