一つ目は「二兎を追う者は一兎をも得ず」。
このことわざの意味は同時に二つのものを捕まえようとするとどちらにも逃げられてしまうという意味です。
二つ目は “two is one and one is none” 。
和訳すると、「二つあれば一つあると言える、一つあるだけでは何も無いに等しい」というニュアンスだと思います。
例えば、大事な会議にペンを一本持っていったとしてもインクが出なくなったり、会議に行く途中でペンをなくしてしまったりするかもしれません。なのでペンを一本準備しているだけでは足りず、安心して会議に行くにはペンを二本準備しておくべきということです。
一見、この二つのことわざは対立しているようにも思えます。
研究の場合、一つのテーマに絞るべきなのか、二つ以上のテーマを同時進行させるべきなのか?
「二兎を追う者は一兎をも得ず」をもとに考えると、一つのプロジェクトに集中するべきということですよね。
しかし“two is one and one is none”をもとに考えると二つ以上のプロジェクトを同時進行するべきですよね。
この二つのことわざはどちらとも好きで、別々に読むとしっくりくるのですが、実際のシチュエーションに当てはめると対立してしまいます。
研究で進めるべきプロジェクトの数について、どっちのことわざを参考にすれば良いのかが解らなくなっていました。
実際、みなさんは同時進行でいくつのプロジェクトを進めていますか?
このまま複数のプロジェクトを進めたほうが良いのか、それとも一つに絞ったほうが良いのかと迷っているかたもいるのではないでしょうか。
最近、一つだったプロジェクトが二つに分かれたことに気づき、どちらとも進めるべきなのか、それとも一つに絞るべきなのかで二つのことわざを思い浮かべながら悩んでいました。
自分なりにたどり着いた答えは、二つのことわざは別々のことを指しているということです。
別々のこととはミッションとアプローチです。
研究でいうとクエスチョンとメソッド。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ではおそらく一つのクエスチョンに集中するべきと言っています。あれもこれもやろうとすると浅い研究になってしまう。やはり追求するクエスチョンは一つに絞るべきだと思います。
“two is one and one is none” はその一つのクエスチョンを答えるためにいろんなアプローチをとるべきと言っているのではないでしょうか。うさぎを捕まえようとするのであれば、罠をしかけてみたり、追いかけてみたり、待ち伏せしてみたり、複数のアプローチでうさぎを捕まえる努力をするべきということだと思います。
クエスチョンがあり、いくつかのアプローチ(プロジェクト)を試している段階なのであれば複数のプロジェクトを掛け持つべきだと思います。
しかしそこから手応えのあるものを選び、他のプロジェクトをあきらめる勇気が必要になってきます。この段階で二つのプロジェクトを掛け持っていると各プロジェクトで複数のアプローチを取らないといけなくなり、手に負えない状況になってしまいます。
研究を進めるということは広げて、縮めて、広げて、縮めての繰り返しというイメージが想像できるようになりました。
縮めることを怠ると膨大な仕事量になってしまい、研究が進まなくなってしまいます。
逆に広げることを怠ると、一つのアプローチに特化しすぎて、そのアプローチがうまくいかなかったときにまた振り出しに戻らないといけなくなってしまいます。
みなさんも研究を広げるべきなのか、縮めるべきなのかを考えてみてはどうでしょうか。
研究の段階によって「二兎を追う者は一兎をも得ず」、もしくは “two is one and one is none”を思い浮かべてみると、成功するためにあえてあきらめるべきものや、次のステップへの新たな道筋が見えてくるかもしれません。
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