博士課程卒業後の進路は民間企業で就職?それともポスドク?お悩み解決


最近は、博士課程の卒業後どうするかについて考えるようになりました。

D3になり、ちゃんとしている人はもう進路を決めてフェローシップや企業に応募しています。

しかし僕は研究をまとめることで精一杯で、まだ先を考える余裕がありません。

しかしいくらなんでも、博士課程修了1年前にして方向性もわからないというのはマズいと思い、卒業後の進路について考えておこうという気持ちが沸きあがってきました。


そんな中、仕事の選び方に関する神記事を読みました。


waitbutwhyというブログを運営しているTim Urbanの書いた記事です。



将来のことで悩んでいる方は是非目を通してみてください。
(注:彼のブログの記事は短い本くらい長いです)


この記事の影響もあり、自分の欲求と仕事から得たいモノについて、もうちょっと深く考えてみることにしました。


Timは、自分の欲求と向き合うことを勧めています



Timによると5種類の欲求があります:

1.Personal (自己表現、アイデンティティ、情熱など)

2.Social (優越感、感謝されること、ステータス、リスペクト、名誉など)

3.Lifestyle (自由、ワークライフバランスなど)

4.Moral (世の中への貢献、未来への貢献など)

5.Practical(安全、衣住食、お金)


人は、この5つの欲求を基本に仕事を選ぶのだそうです。



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これまでにやりたいと思った仕事を振り返ってみると、自分はどのような欲求が強いのかを探ることができます



僕がこれまでにやりたいと思った仕事:

  • プロバスケ選手
    • なりたいと思った理由:バスケ大好き(Personal)。名誉(Social)。
    • なっていない理由:背が小さすぎ。現実的になれそうではない。


  • 国立公園の管理人
    • なりたいと思った理由:未来への貢献(Moral)。感謝されたい(Social)。自然大好き(Personal)。
    • なっていない理由:実際どのような仕事なのかわからない。あまり自己表現できない。

  • ポーカープレーヤー
    • なりたいと思った理由:名誉(Social)。勝負の楽しさ(Personal)。
    • なっていない理由:リスクが怖い。社会のためになれない。

  • 通訳者
    • なりたいと思った理由:お金(Practical)。自分のスキルを活かせる(Practical)。
    • やめた理由:自己表現できなかった。自分の意見を言えなかった。

  •  翻訳者
    • なりたいと思った理由:お金(Practical)。自由(Lifestyle)。ワークライフバランス(Lifestyle)。自分のスキルを活かせる(Practical)。
    • やめた理由:自己表現できなかった。自分のメッセージを書けなかった。

  •  英語の先生
    • なりたいと思った理由:未来への貢献(Moral)。リスペクト(Social)。教えるのが好き(Personal)。
    • やめた理由:自分の夢を探したくなった。

  •  知的障害児の先生
    • なりたいと思った理由:未来へ貢献(Moral)。社会へ貢献(Moral)。リスペクト(Social)。教えるのが好き(Personal)。
    •  やめた理由:自分の夢を探したくなった。

  •  獣医
    • なりたいと思った理由:リスペクト(Social)。動物に対する愛(Personal)。
    • なっていない理由:動物と遊ぶ仕事ではない。暗記が不得意。大学の成績があまり良くなかった。

  •  作家
    • なりたいと思った理由:名誉(Social)。自己表現(Personal)。自由(Lifestyle)。
    • なっていない理由:何について書くか決まっていない。人のためになるのかわからない。

  •  研究者
    • なりたいと思った理由:リスペクト(Social)。自己表現(Personal)。社会へ貢献(Moral)。


このように見返すと僕の場合、仕事をしてみたくなる理由は「リスペクト(Social)」が多く、仕事をやめたくなる理由は「自己表現ができない(Personal)」ということが多いような気がします。



今の自分にとって最も優先するべき欲求はなんだろう?



Timは自分の欲求をランク付けすることをおすすめしています。

彼は、欲求のランクを棚のように捉えていて、1番上の棚に「最優先すべき欲求」を置き、1番下の棚に「可能であれば満たす欲求」を置くことを勧めています。

そして、ゴミ箱には「無視したほうが良い欲求」を入れることが大切らしいです。


僕もいろいろな欲求をランク付けしてみました(まだ最優先すべき欲求はわからないのですが)。



Non-negotiable Bowl(最優先する欲求): 

Top Shelf(優先する欲求):  自己表現。自由。社会へ貢献。

Middle Shelf(完全に無視してはいけない欲求):  リスペクト。未来へ貢献。衣住食。

Bottom Shelf(可能であれば満たす欲求): お金

Trash(無視したほうが良い欲求): 名誉。




今目指している研究者という仕事は自分の優先すべき欲求を満たせるのか?


答えはYES

自己表現、自由、そして社会へ貢献する可能性もある。




企業とポスドク、どちらが僕の欲求を満たせるのだろう?


自分が優先すべき欲求(自己表現、自由、社会へ貢献の3項目)について、ポスドクと企業を比べてみました。



自己表現

ポスドク > 企業

おそらく自分のプロジェクトを決めやすいのは自由度の高いアカデミアのラボへ行くこと。

企業だとやはり企業の方針や利益に繋がるものに縛られそう。

しかし自分の理念とマッチする企業が見つかれば企業でもOK



自由

ポスドク > 企業

これはボスによるが、働き方に関してもアカデミアの方が規制が少ないような気がする。

しかし自由度がほとんどないラボもあるので注意が必要。



社会へ貢献

企業 > ポスドク

おそらく企業のほうが社会への貢献に繋がりやすい。そのノウハウやパイプラインも確立されている。

これを学ぶために企業に行くことも有意義かもしれない。



このエキササイズで気づいたこと


このように自分の欲求について掘り下げてみたところ、僕の場合は、博士課程卒業後の進路として「自分でプロジェクトの方向性を決めることができ、働く時間も比較的融通が効き、将来的に社会に貢献できるポジションを探すべきだろう」という結論に至りました。

おそらくポスドクの方が可能性が高そうですが、企業でもそのようなポジション・チャンスがあれば見逃さないようにしたいです。

また、このエクササイズをしてみて、研究者という職業が自分の全ての欲求を満たせる訳ではないということにも気がつきました。

研究者として働きながら、ブログをしたり、副業にチャレンジしたり、趣味やボランティアに精を出すこともできます。

研究で満たすことができない欲求は他のアクティビティで満たせばいいですし、そうすることで、より充実度・満足度の高い働き方・生き方ができるかもしれません。



まとめ


博士課程卒業後の進路をどうするか悩んでいる方へ。。。

一呼吸置いて、まずは自分の中にどのような欲求があるのか、その中で優先すべき欲求は何なのかを探ってみてはどうでしょうか。

例えば、今まで自分の欲求だとばかり思っていたものが、実は親や世間からのプレッシャーだったということもあるかもしれません。

どの欲求を満たすべきで、どの欲求を無視すべきなのかが明確になれば、気持ちもスッキリしますよね。

卒業後の進路を決めるにあたっては、そのポジションが自分の優先するべき欲求を満たせるかどうかがポイントになってくると思います。

博士課程卒業後、どんな進路にチャレンジするかのヒントになればうれしいです。





追記:この記事はアカリク~大学院生(修士・博士)・ポスドクの就活とキャリア~ Advent Calendar 2019に掲載いただきました~!アドベントカレンダーでは博士課程卒業後の様々な進路に関する体験談が読めるのでおすすめです。




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