順遺伝学的スクリーニング(フォワード・ジェネティクス)(Forward Genetics)~研究アプローチ大全~

順遺伝学的スクリーニング(フォワード・ジェネティクス)(Forward Genetics)


どの分野で使える研究アプローチ?

遺伝学、生物学、遺伝子に関わる分野



どういう問いに答えられる?

表現型Xにはどのような遺伝子の働きが関わっているのか?

(例:睡眠に関わる遺伝子はどの遺伝子?)



おおまかなステップ

1.表現型の選定

(例:睡眠)


2.遺伝子変異の誘発

(ENUなどの薬でたくさんのマウスに変異を誘発する)


3.表現型を示す変異株の単離

(睡眠に異常があるマウスを単離)


4.表現型の原因となる遺伝子変異の同定

(睡眠異常マウスの遺伝子解析)



主に用いられるモデル動物

酵母、線虫、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュ、マウス



主に用いられる技術:

・遺伝子変異誘発、もしくは遺伝子ノックダウンライブラリー

・次世代シーケンス、解析(変異株の遺伝子の配列を解読するため)

・表現型により、顕微鏡技術など

・CRISPRなどの遺伝子改変技術



利点(メリット):

・表現型に関わる新たな遺伝子を見つけられる可能性がある



難点(デメリット):

・バクチ要素が高い(既に知られている遺伝子を見つける可能性も有)

・原因となる遺伝子変異を特定するまでに時間がかかる場合もある

・原因となる遺伝子変異を特定できない場合もある(複数の遺伝子の作用により表現型が現れる場合など)



順遺伝学的スクリーニングを用いた代表的な論文:

・大隅先生のオートファジーに関わる遺伝子を探すための順遺伝学的スクリーン

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8224160/


・Sydney Brennerの線虫の運動機能を制御する遺伝子を探すための順遺伝学的スクリーン

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/4366476


・柳沢先生の睡眠を制御する遺伝子を探すための順遺伝学的スクリーン

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27806374





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