学振などの評価書・推薦書を自分で書かないといけない時のヒント


教授に何かお願いしないといけない時って、ちょっと緊張しますよね。



コン、コン。。

僕:「先生、今お時間大丈夫ですか?」

教授:「どうした?」

僕:「学振の評価書を書いていただきたいのですが。。。」

教授:「あ~、とりあえず自分で書いてもらっていい?俺が読んでサインするから。」

僕:「あ、はい。では、今週中にドラフトを送ります。。。。失礼します。」

トボ、トボ。。。

ボソッ。。「忙しいんだろうな〜。けど、どうせなら先生に書いてもらいたかったな〜。」

ボソッ。。「しかも学振DCでは自己評価も書かないといけないのに、評価書まで書くとなると、どんだけ自分を褒めちぎらないといけないんだ。。。」






学振などの研究奨学金・助成金制度の応募には「評価書」や「推薦書」の提出が必要です。

以前twitterでアンケートを実施したところ、申請者自ら草稿を書かなければならないというケースが大半を占めるという状況がわかりました。




教授が評価書を書いてくれないのはちょっとヘコみますが、一歩引いてみると自分で評価書を書くことは案外アドバンテージになるかもしれません。




評価書に費やす時間を考えてみましょう。

どんなに優しい教授でも評価書にかける時間はおそらく30分から1時間くらいがMAXだと思います。

特に、指導経験が豊富な教授の場合、評価書のテンプレートを何パターンかすでに持っていて、極端なケースでは学生の名前を入れ替えるだけかもしれません。



一方で、自分で書く場合はどうでしょう。

自分で書く場合には、納得できるまで書くことができますし、申請書の他の部分とのバランスをとることができます。



そう開き直ったら、少しだけ僕も気持ちが明るくなりました。

むしろ「自分で書けるなんて、ラッキー!」です。

「指導教授よりも、良い評価書を書いてやる!」と自分自身に喝を入れ、自分のサポーターになったつもりで評価書の草稿を書きました。



評価書を書く上で自分は以下3つのポイントを意識しました。

1.教授の視点からのエピソードを書く(できれば数値化できるもの)

2.評価書と自己評価の相乗効果を狙う

3.恥ずかしすぎて自己評価には書けないことを評価書に書く



1.教授の視点からのエピソードを書く(できれば数値化できるもの)



評価書の内容は「エピソードに基づくもの」や「申請者のパーソナリティが垣間見れるようなもの」が良いと思います。

そのためにはまず、教授とのこれまでのエピソードを思い返してみると良いかもしれません。

教授と自分が交流したシーンや場所(接点)を思い浮かべてみてください。



例えば、
・ラボミーティング
・データを見せて議論しているとき
・執筆中の論文について議論しているとき
・将来の相談をしているとき
・学会へ行ったとき
・など



その中で、教授からもらったポジティブなフィードバックや自分がちょっとでも頑張ったこと(すごかったこと)をエピソードを交えながら書くことがポイントだと思います。

教授が忘れている可能性は高いですが、最低限そこにいたならOKだと思います。

(念のため、教授に草稿を送る時、「草稿を書きましたが、先生が同意する部分だけ残していただけると幸いです。」と書きました。)



例1:OOさんはこれまでのラボメンバーが気付かなかった蛍光シグナルの可能性に注目し、分子Xが条件Yで核内に移行することを見いだした。

例2:同分野の△△先生との食事会で△△先生は特にOOさんの研究に興味を示していた。それはOOさんの研究の説明が明快で、いつも発表できるような資料を準備しているからだと考える。


例3:OOさんはXX国際学会で優秀ポスター賞を受賞した。この賞は200人の発表者の中から特に優れた発表者20人に授与されるものであり、OOさんのプレゼン能力の高さが評価された。




2.評価書と自己評価の相乗効果を狙う



学振の場合、難しいのは「自己評価」と「評価書」の2つがあることです。

2つとも自分で書くとなると、書くネタが底をついてしまいそうですよね。

個人的には、この2つが多少(というか、かなり)かぶってもOKだと思います。



例えば、自己評価に3つの長所(強み)を書くとすると、そのうちの2つは評価書で重複しても良いと思います。


例えば、「自己評価」では以下3つをアピールする:

①研究テーマを決める能力 
②実験力 
③コミュニケーション能力


「評価書」では以下3つをアピールする:

①研究テーマを決める能力 
②実験力
③指導力(新たに加える)



このように自己評価と評価書で長所がかぶる場合には、それぞれで異なるエピソードを述べるのがポイントだと思います(エピソードまでかぶらないように注意)。

異なるエピソードで深さを出せば、申請者の強みをより強調させることができますよね。

反対に、自己評価と評価書の長所がまったくかぶっていないような場合には、整合性に欠けるため矛盾した印象を与えてしまうかもしれません。




3.恥ずかしすぎて自己評価には書けないことを評価書に書く



評価書では、自分で書くには恥ずかしすぎることを「書いてもらう」と良いと思います。

例えば、普段からラボ内で他のメンバーをサポートしたり、相談に乗ったり、周りのために何かと動いている場合、協調性やリーダーシップを主張したいかもしれません。

ところが、自己評価に「僕は後輩の面倒見が良くて、慕われています」と書いてみても、なんだか客観性に欠けていて、審査員の先生方から信頼してもらえないですよね。

本当にそんな良い人だったら自分で書くか?とも思われてしまうかもしれません。



こういったことこそ、教授に「書いてもらう」と良いと思います。

自分で言うよりも、はるかに信頼性が高くなるはずです。


例:OOさんは指導力が高く、後輩に非常に良い影響を与えている。OOさんが指導する学部生や修士学生は研究室内でも特に飲み込みが早く、質の高い研究計画書を提出し、結果につながる実験を期限内に終わらせることができている。OOさんの丁寧な指導方法は後輩の成果に繋がっており、ラボでは欠かせない存在になっている。



自分で自分の評価書を書くのは正直面倒だと感じるかもしれませんが、実はチャンスかもしれません。

謙遜せずに、自分の良いところをどんどんアピールしてしまいましょう。

その際にはぜひ、今回の記事でまとめた「評価書を書くための3つのポイント」も参考にしてみてください。

今回の記事が少しでもみなさんのお役に立てればうれしいです。


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