最近は一日がんばったご褒美として寝る前に小説を読んでいます。
思わずにやけたり、クスッと笑ってしまうような本です。
活字を読みながら笑うなんてことはまずないタイプなのですが、小説を読みながら初めて笑いました。
2016年に芥川賞を受賞した作品なので、「今ごろ?」と思うかもしれませんが、まだ読んでない人がいればおすすめしたいです。
コンビニ人間 (著者:村田沙耶香)
例えば、このようなやりとりに心あたりがある方もいるのではないでしょうか。
親戚:「あら、あなたアラサーなのに、まだ学生さんしているの?」
僕:「はい。。。」
親戚:「あらま~。いつまで学生さんをやるつもりなの?」
僕:「。。。(いつ卒業できるかは自分でもわからないので黙り込む。。。)」
僕は一旦大学を出てから社会で働き、それから博士課程に入りました。
新人ポスドク:「Aさんから聞いたんすけど、俺より年上だったんすか!?」
僕:「お~。そうだったんですね。でも全然気を使わないでください。」
新人ポスドク:「え!?でもその年でまだ学生なんすか?」
僕:「はい、あと結婚もしてます。」
新しいポスドクさんが来るたびにこのようなやりとりを繰り返しています。
やはり、彼らの経験上では博士課程で一つのタイプの人間しか見たことがないのだと思います。
「日本の社会、もうちょっと多様性を受け入れろよ!」と思うこともありますが、こんなことを念じても何も変わりません。
結婚に関してもある年齢になれば結婚のプレッシャーが波のように押し寄せてくると思います。
この本は、「好きな道を選んで何が悪い?おかしいのは自分ではなく、日本社会だ。」と思わせてくれます。
日本社会の概念を変えることは難しいですが、「自分もそうならなきゃ」とか「自分がおかしいのかな?」という思いを忘れさせてくれるような本です。
しかし、日本の成功概念に当てはまらない道を歩んでいて、社会から異物扱いされていたら、「コンビニ人間」で描かれている日本のちょっと変なところに共感できる部分が多くあると思います。
社会の期待や視線による疲れがたまったときは自分の心を癒すために「コンビニ人間」を読んでみてはどうでしょうか。
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