ポスドク・博士の就職:転職エージェントと面談体験記①

博士の就活事情:転職エージェントと面談してみた①
博士の就活事情:転職エージェントと面談してみた②
博士の就活事情:転職エージェントと面談してみた(まとめ)(←忙しい人はこちら!!)


博士号をお持ちの皆さんは民間企業を考えたことはありますか?


もし興味ないとしても、


「もしアカデミアでうまく行かなかったら、転職できるんだろうか?」
「企業は博士号に興味ないのでは?」


と、一度は考えたり聞いた事があるのではないでしょうか?


私はとある地方大学の博士課程の学生です。まず多くの人が直面する解題は


「博士号持ちの人はどこを入り口に企業に就職したらいいのか?」


という事だと思います。


私が考えるに、博士号取得者が採るべき道は「顔の見える就活」ではないかと思います。

顔の見える就活とそうでない就活



顔の見える就活とは何でしょう?逆説的に顔の見えない就活とは何でしょう?


私は以下のように考えています。


顔の見えない就活:
WEBテストやエントリーシートで絞り込みが行われ、面接の段階でも、誰が選考を担当しているのか不明確であり、かつ、予想される配属先の人物と会う機会のほぼ無いOR極端に少ない採用プロセス

顔の見える就活:
応募の段階から個人レベルで誰にコンタクトを取るべきか明確、選考段階でも予想される配属部署の人物たちとコミニュケーションを取ることが出来る採用プロセス。


一度でも学士卒の就活を経験したことのある人はピンと来るのではないでしょうか?


いわゆる新卒一括採用は顔の見えない就活の典型だと思います。


最初にwebテストやエントリーシートをネットで送付し、一次面接やグループディスカッションでふるいにかけられていくパターンです。


企業側が年間に新人を雇い入れる数がおおまかに決定しており、その枠に収めていくようなやり方です。


応募の数が枠に対して大幅に上回っている場合に有効なプロセスだと思います。


一方博士というのは既に「超ニッチ」な存在です。


ですので、そもそも博士を求めているようなポジションに、1000人の博士が応募してくるということはほぼ無いと思います。


だからこそ、私は、応募の段階から何を求められているのか明確で、選考段階でも予想される配属部署の人物たちとコミニュケーションを取ることが出来る採用プロセスの方が博士には合っていると思うのです。


でもネットで検索すると多くの場合「企業でwebエントリー」「大手就活サイトに登録」という方法しか無いように思います。


確かにそのアプローチでも私は良いと思います。


でも顔の見えない就活のプロセスだと、自分の良さをアピールできる間もなく終了してしまうと私は思いました。


そんな時に私は、ラボのテクニシャンにLinkedinを勧められました。
















転職エージェントはLinkedin経由でコンタクトを取ると話がスムーズ


Linkedinってご存知ですか?


Linkedinはまだあまり日本では普及していないようですが、世界的には転職でかなりメジャーな転職サイトです。


イメージとしては知らない人はFacebookの職探しバージョンだと思ってください。自分の履歴書をwebにアップして転職エージェントの人が連絡を取ってくれるという仕組みです。


Linkedinに登録しておくとこんなメッセージが来ます。



------------------------------------------------------------------------
Hi XXX-san,

I’m ~~~~~~.
I am just wondering if you're interested in XXX industry? Please let me know your thoughts.

XXXXX

------------------------------------------------------------------------


みたいな感じで連絡が来ました。大体月に1~2回ほどです。


最初はスパムかと思ったのですが、検索すると実在する人物と会社なので実際にコンタクトを取りました。


トータルで7~8社ぐらいのエージェントの方と電話でお話ししたと思います。その中でも覚えているのをピックアップしました。


連絡して来てくれたエージェントの方々まとめ




担当の方
話した内容、言語
A
日系。男性。
どんなポジションが適しているか。現在の年収。希望する年収。外資系メイン。英語
B
ヨーロッパ系。女性。
どんなポジションに興味があるか。業界の興味。重視する事柄。勤務地。年収。内資、外資両方。英語と日本語。
C
日本人。女性。新人。
具体的なポジションを提示してきた。企業名はとくに挙げられず。役職について興味があるかどうか?年収について。日本語。
D
アジア系。女性。
どんな仕事に興味あるか?現在の年収。家族構成。英語。
E
日本人。女性。ベテラン。
なぜ現在の研究をするに至ったか?どんなことにこだわりを感じるか?キャリアのアドバイスについても詳しい説明があった。内資、外資両方。日本語。
F
アジア系。男性。
どんなポジションに興味があるか?キャリアのアドバイスができるという提案。具体的な面談の日程まで提案された。英語。


転職エージェントから良く聞かれた質問


まずは、Linkedin経由の場合英語でのコンタクトが多かったです。おそらくですが、Linkedin自体が海外で普及しているため、外資系のエージェントの方が積極的にLinkedinを活用しているからだと思います。

どれも大体冒頭20分は自己紹介、エージェントの説明、残りの30-40分ぐらいに業界の話、仕事の話に移ります。

良く聞かれた質問をリストにしたので、なので英会話に不安のある人は準備しておくといいのかもしれません。


基本的な質問リスト

              年齢、家族構成、現在の年収(泣)
              希望する年収
              勤務地
              今までの研究内容、専門性
              英語のスキル


めずらしい質問、提案

              やりたいことカウンセリング(E社)
              業界のベテランとのミーティングを設定できる(F社)
              良くない会社をちゃんと教えてくれる(B社)



このように大体同じことを聞いてくるので、英語での会話に抵抗がある場合はオンライン英会話で上記の質問への答えを練習しておくと良いと思います。唯一私が経験したオンライン英会話はレアジョブ(当時月額が一番安かったので)ですが、コスパ良かったのでお勧めしています。インタビュー内容とか準備して相手に伝えれば練習相手になってもらえます。


結局は気の合いそうなエージェントを選ぶ


話していて何となく、F社とB社のエージェントが良い気がしました。B社のエージェントは話していて人間味のある人だったのと、日本語も話せるので日本で仕事をすることに対する意欲を感じたからです(*)。F社は業界について詳しい感じだったので、良い印象がありました。

*中には全く日本語が話せないエージェントもいるのですが、外資系を担当するといっても実際に業務に支障が出ないのか謎です。


また、後からわかった事ですが、仕事を紹介してくれる担当の人は結構個人プレイです。宣伝広告をバンバンうっている転職エージェントであっても、その組織に所属する個人プレーヤーがマッチングをしているようです。大手だから質のいい求人だろうというのもどうやら当てはまらないようです。

なので、最後は「この人からの求人なら信用できる気がする」という決断をしなければなりません。


質の悪い求人紹介をしてくる会社もある




少し気をつけなければと思ったのは、エージェントの中には、どこかで聞いた事のある案件ばかり紹介してくるエージェントが複数ありました(有名であろうがなかろうが)。


予想ですが、例えば図のように、ただ企業がひたすら求人票を色々なエージェントに出している場合が(おそらく)あります。担当コンサルタントによってはあまり吟味しないで、とりあえず条件にある程度マッチしている人に案件をパスしまくる方が効率的です(かなり丁寧に断りを入れたにもかかわらず無視とかあります)。


そういう案件はそもそもネットで大々的に公開されていたりするので、エージェントを介するメリットも減りますし、個人的にはあまり、次の仕事選びという人間的イベントを人間味の無いプロセスに託したいと思えませんでした。(そういう案件を安易に送ってくる人は何となく作業チックな対応だったので)


紹介された業界と職種


紹介された仕事リスト(+博士の需要がある気がするランキング)



  1. 製薬企業のMSL
  2. 製薬OR医療機器メーカーの薬事
  3. 医療機器メーカーの品質管理
  4. ソフトウェア企業のデータサイエンティスト/バイオインフォ
  5. ソフトウェア企業のアプリケーションエンジニア
  6. ファーマコビジランス
  7. 製薬企業の研究職


科学者とは思えないくらい適当なランクで恐縮です。MSLの1位はかなり自信あります(MSL以外のランキングは適当です。笑)。MSLは今製薬企業が拡充しているポジションであるのと同時に、海外ではMSLがPh.D, MD, PharmDを持っているのが当たり前なので、国内製薬企業も同じスタンダードを維持したいのではないかと思います。


博士号取得者が度々本命として考える製薬企業の研究職は残念ながらあまり博士号保持者を積極的にリクルートしている空気は感じませんでした。噂によれば研究開発はますますアメリカの西海岸や東海岸で盛り上がりを見せており、グローバル化できていない日の丸研究所は中々苦戦しているようです*。また、究極に専門性が影響する研究職はさらに水面下のマーケットで人材が動いているのかもしれません。




*GoogleでBiotech company in Californiaとかで調べると日本では考えられない量が出てきます。アメリカ恐るべし。



どちらにせよ、民間企業に行くのであれば、思い切って違うことをやってみようというコンセプトで、非研究職にアプローチしてみようかと思っています。


長くなってきたので今回はここで終わりますが、次回は「~エージェント面談編~」を投稿します。